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適用範囲: 205/206/206VL/225/216XL
FIVA 20xは (225を除いて) Windows Meがプリインストールされていますが、Windows XP Home Edition/Professional (製品版) を動作させることが出来ます (FIVA 205/206は、カシオから提供されている最新版のBIOSで非公式ながらも対応済になっています。FIVA 206VL/225は、最初から対応が完了しているようです)。
このページでは、FIVA 20xシリーズにWindows XP (Professional) をインストールする方法や、快適に動作させるためのTipsを紹介しています。
# Home Editionも基本的には同様の手順でインストールできるはずですが、Professionalとの大きな違いは、ユーザーアカウントの権限に関する事項や、マルチプロセッサのサポート、ファイルシステムの相違であるため、ここではHome Editionには触れません。また、多くのメーカー製PCにプリインストールされるものは、Home Editionと思われます。
このテキストの内容は、Windows XP Professional RTM版 (Release-To-Manufactor = OEM向け製品同等版) を使用して検証したものであり、それ以前のコードであるBeta/RC版のすべてに関して動作を保証するものではありません。また、検証には英語版を使用していますが、日本語版での画面表記や同等機能へのアクセス方法に関して把握したものではありません。
なお、このテキストは、Beta 2のころに205/206で見られた“BIOS消失問題”が解消していることを保証する内容でもありません。インストールにあたってのリスクは、すべて当事者に期するべき問題であることを念頭に置いてください (このインストールによる万が一のBIOS消失事故は、保証の有無/当該事項の既知・未知に関わらず、有償修理となっています)。この現象は起こりにくくなっているようですが、起こらないとは言い切れません。最終的には、公式にアップデートが提供されるはずですが、確実とも言い切れません。
Windows XP on FIVA 20xの目次です。適当に読み流してください。
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Windows XPは基本的にWindows NT 4.0/2000を継承するOSであるため、Windows 9x/Meからのアップグレードは、ドライバやソフトウェア類の互換性の問題で、インストール後のOSが不安定になる要素を含んでいます。このテキストでは、新規インストールにて動作を検証しています。なお、以下の内容では触れていませんが、Windows 2000からのアップグレードは、正常に動作することを確認しています。ただし、状況が許す限り、新規インストールを推奨します。
新規インストールした場合でも、“Files and Settings Transfer Wizard”を使用することで、新しくインストールしたWindows XPに、旧OSや使用していたアプリケーションの設定 (極論すればレジストリの内容すべて) を安全に移行することが出来ます。このウィザードを使用すると、ファイルの関連付けの設定なども移行できますので、アップグレードよりはこちらをおすすめします。
なお、アップグレードインストールを行う場合、CD-ROMの \setup.exe
を起動すると、システム互換性のチェックが行えます。このツールで使用中のドライバやソフトウェアの互換性を検査すると、より安全でしょう。
# なお、Symantec社のNorton 2000/2001系ユーティリティは、Windows XPに対応していないため、エラーが検出されます。アップデートが提供されている製品もありますが、基本的にはNorton 2002へ移行したほうが確実のようです。
本体HDD内に何らかの形でCD-ROM内の i386\
フォルダをコピーするか、起動しているWindows上でCD-ROMドライブやネットワークの共有フォルダを使うなどして、CD-ROMドライブ内の実行ファイル i386\winnt32.exe
を起動します。この際、CD-ROMドライブ/ネットワークからのインストールでは、 /makelocalsource
オプションを付けて起動すると、再起動後はCD-ROMの内容を使用しないようになります (すべてのファイルはHDDへコピーされ、インストール完了後に削除される)。
途中、ユーザー名/会社名/プロダクトIDなどの入力を求められる箇所がありますが、それ以外のプロセスはほぼ自動で進行します。FIVA 206VLではセットアップ完了までにほぼ1時間を要します。
この時点でFIVA 20xに搭載されているデバイスはすべて認識され、画面は800x600 True Color (24-bit) で起動します。また、オープニングムービーの音声も再生されます。TrackPointの追加機能が必要な場合のみ、TrackPoint IVドライバ Version 2.11以降 (Windows 2000対応版; なお、216XLでは Version 3.0.0.0 が使用されている) をインストールしてください (FIVA 20xのリカバリCDにも書き込まれています)。 [>> インストール完了後のデバイスマネージャのツリー構造 (画像中グレーの背景となっているデバイスは、インストール後に手動で追加したもの)]
なお、Windows XPにはProcessor Driver Class (CPUドライバ) が新設されており、CPUであるTransmeta Crusoe TM5600はシステムに自動的に認識され、LongRun機構はOSによって自動的に制御されています (LongRun設定をユーザーが変更する方法は、今のところ分かっていません。プログラマブルに変更しようとした場合も、OS側の制御権限が優先されるため、ユーザー側の制御はうまく行きません → Mobile Cockpit IIIはこの値を強制的に書き換え、かつ定期的に、OSによって値が変更されていないかどうかチェックしている模様。こういう強攻策は個人的に採りたくないので、FIVACtrl XPは現状での動作のままとなるかも知れません)。なお、Windows XP対応版の「FIVACtrl XP」はここに置いてあります。
Windows 9x路線 (16-bit ネイティブ モードを持つ旧Windows) の廃止や、CPUドライバなどによる各種ハードウェアに特化した動作が可能になったことで、Windows XPでは安定性の向上 (Windows 2000とほぼ同等) と、Windows 2000より高いレベルのアプリケーション互換性 (特にDirectX 8.1によるゲームへの互換性など) が望めます。
特にWindows 9xからの移行では、システム リソースの制限を受けなくなったことにより、飛躍的な安定性の向上が望めます。また、一部16-bitアプリケーションを除き、ほとんどのアプリケーションはそのまま動作します。
反面、Windows 2000からの移行では、それほどの差を感じません。ただし、FIVA 20xではDirectDrawを使用するアプリケーション (主にゲーム) の描画速度が飛躍的に上がり、正常に動作しなかったゲームなどが一部動作するようになっています。これらに恩恵を感じないのであればWindows 2000 Service Pack 2 (or Service Pack 3) にDirectX 8.1 や Internet Explorer 6、Windows Media Player 8を追加することで、ほぼ同様の環境を得ることが出来ます。
移行にあたって問題となる可能性が大きいのは、新しいユーザーインタフェースによってOS自体の動作が重くなったことと、一部機能の使用方法が変更となっていることです。この改善方法は次に述べます。
FIVA 20x上でのWindows 2000は、メモリ容量をover 256MBにすれば快適に動作しますが、Windows XPの動作はこれと比較して非常に重く感じることがあります。これは、画面エフェクトや構成オブジェクトがいっそう多機能になったことによる弊害です。ここでは、これらの追加機能を無効にする方法を紹介します。
ユーザーインタフェース
Windows XPでリニューアルされたUIである“Luna”は、画面デザインの変更に加えて、各種エフェクトが多用されているため、FIVA 20x搭載のCrusoe/LynxEM+では、デフォルトのままでは若干動作が重く、旧Windows系統と比較すると画面が狭く感じられます。これは、以下のような設定を変更することで改善可能です。
- StyleXPなどで、ビジュアルスタイルを変更してしまう:
- Luna以外のビジュアルスタイルを使用することで、動作速度への影響を減らすことが出来る可能性があります。私は、Neowin.netのCustomizing Windows XP フォーラムで見かけた、Watercolorスタイル (Windows "Whistler" Beta だったころのウィンドウスタイル) を使用しています。
- 画面エフェクトを無効にする:
- Windows XPでは、画面描画に対するエフェクト (フェードイン/フェードアウトやオブジェクトの影など) が多用されています。これらのエフェクトの描画を行うには、LynxEM+はあまりにも貧弱すぎます。
- 「Display Properties」の [Appearance] タブで、[Effects...] を押し、
- 「Use the following transition effects for menus and tooltips」のチェックを外す。
- 「Use the following method to smooth edges of screen fonts」のチェックを外すか、チェックを入れたまま「Standard」を選択する (ClearTypeの表示は綺麗ですが、表示速度が犠牲になります)。
- 「Show shadows under menus」のチェックを外す。
- 「Show window contents while dragging」のチェックを外す (これは効果が薄い)。
- タイトルバーの高さを小さくする:
- “Luna”では、タイトルバーの文字が大きめに変更され、旧Windowsに比べて、高さも比例的に大きくなっています。これは画面のプロパティで、変更が可能です。
- 「Display Properties」の [Appearance] タブで、[Advanced] を押し、
- 「Item」の“Active Title Bar”を選択し、「Size」を 18 にする。
- 「Font」を“Tahoma”に、「Size」を“8”にする。同じように“Scroll Bar”の「Size」を 16 にする。
- Classic Viewに変更する:
- 画面デザインを旧来のWindowsと同様のものに変更します。新しく追加された機能は使用できません (True Colorアイコンのアルファチャンネルや、スタートメニューの機能は除く) が、反応速度はWindows 2000とほぼ同じか若干速くなり、外見からもWindows XPであることは判別しにくくなります。
- 「Display Properties」の [Theme] タブで、「Theme」を“Windows Classic”に変更する。
- 「Display Properties」の [Appearance] タブで、「Windows and buttons」を“Windows Classic style”に変更する。
- スタートメニューの外観を旧タイプに変更する:
- 新しくなったスタートメニューの表示や機能は非常に便利ですが、この描画も若干重い動作になっているため、旧デザインのインタフェースに変更したほうが軽快に動作するようになります。
- 「Taskbar and Start Menu Properties」の [Start Menu] タブで「Classic Start menu」を選択する (場合によっては [Customize...] を押して、メニュー表示内容などをカスタマイズする)。
エクスプローラの表示
今までのWindowsでの「Webスタイル」表示は、Windows XPで多くの機能が追加されたために、エクスプローラ (マイコンピュータ形式の表示を含む) の表示までに若干多くの時間を要するようになっています。また、表示方式にも新たな方式が追加されていますが、主に高解像度ディスプレイに向けた機能であり、FIVA 20xの800x600画面では狭く感じることもあります。これらはオプションから無効にすることが出来ます。
- 「Webスタイル」表示を無効にする:
- ウィンドウ左側の“Web項目”(Tasks) を表示しないように変更します。
- 「Folder Options」の [General] タブで[Tasks]の「Use Windows classic folders」を選択する。
- ファイル一覧の表示方式を固定する:
- Windows XPのエクスプローラは、ウィンドウサイズや設定状況によって表示方式が様々な形に変化しますが、この表示方式を固定します。
- 適当なフォルダを開き、右クリックメニューなどから表示方式や整列方式を選択する。
- メニューより [Tools] - [Folder Options...]を選択し、[View]タブを開いて [Apply to All Folders] ボタンを押す。
- ツールバーの大きさ:
- エクスプローラやInternet Explorer、Outlook Expressなどのツールバーは、これまでと比べて、ボタンのサイズが若干大きくなっています。これはオプション設定を行うことによって小型化可能です。
- ツールバー上で右クリックし、[Customize...] を選択する。
- 「Text options:」を「Selective text on right」や「No text labels」に設定する。
- 「Icon options:」を「Small icons」に設定する。
これらの設定を完了することで動作速度に関しては充分なものを得られますが、この状態ではWindows 2000と変わりありません。妥協点は各々で納得できる箇所を見つける必要があります。
* Files and Settings Transfer Wizardは、たぶん“バックアップする”と設定した項目以上のものを圧縮しようとする。このため、設定情報だけをバックアップするようにしても、6GB以上のバックアップファイルが生成され、かつ圧縮中にマイドキュメントなどのファイルを圧縮しているような挙動が見られる。解決方法は不明。バックアップの展開も、おそらくバックアップファイルの3倍以上の空き容量がなければ失敗する (MS-CAB形式を発展させたような圧縮方式と見られる)。 → Windows Updateでアップデートが提供されているので、そちらも参照。
* Windows XPでは、ウィンドウのclose boxの挙動が異なっている模様。この挙動はおそらくWindows CE 3.0 (Pocket PC) に近く、完全なアンロードはされずにウィンドウ要素がすべて初期化される。classの初期化処理においてoverrideが不正だと、不完全な状態でウィンドウが表示されることがある。
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